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衛生管理者とは?難易度や試験概要、申し込み方法など

『衛生管理者』とは?

職場の安全衛生管理のリーダーである統括安全衛生管理者が行うべき事業場の安全衛生管理のうち、労働衛生に関する技術的事項を管理するのが衛生管理者です。
総括衛生管理者をサポートし、産業医などのほかの専門スタッフや現場の管理監督者などと連携し、事業場の労働衛生水準を高める活動が衛生管理者の役割となります。

この頁では衛生管理者について、難易度や受験資格など解説していきます。
 

衛生管理者の難易度

令和元年度の合格率についてですが、第一種衛生管理者は68,498名の受験者に対し、合格者は32,026名となっており46.8%になっています。
また、第二種衛生管理者は33,559名の受験者に対し、合格者は18,511名となっており、55.2%になっています。

平成28年度~令和元年度までの合格率の平均は第一種45.4%、第二種55%になります。

合格率はともに40%を超えることが多く、ほかの国家試験と比べても決して低い合格率ではありません。
しかし、合格の基準は『科目ごとの得点が40%以上でかつ、その合計が60%以上であれば良い。』
となっていますので対策としては偏りのない、バランスのよい学習が必要となってきます。

合格率と受験者数

第一種衛生管理者試験

年度受験者数合格者数合格率
令和元年度68,498名32,026名46.8%
平成30年度67,080名29,631名44.2%
平成29年度65,821名29,636名45.0%
平成28年度61,500名28,003名45.5%

平均45.4%(四捨五入)

第二種衛生管理者試験

年度受験者数合格者数合格率
令和元年度33,559名18,511名55.2%
平成30年度32,985名17,271名52.4%
平成29年度31,537名17,302名54.9%
平成28年度29,186名16,189名55.5%

平均55%(四捨五入)

安全衛生技術試験協会による

衛生管理者の受験資格

衛生管理者の試験を受けるには受験資格を満たしていることが必要

衛生管理者の試験を受けるにはいくつか条件があります。代表的なものを挙げると、

  • 学校教育法による大学(短期大学を含む。)又は高等専門学校【※1】を卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
  • 学校教育法による高等学校又は中等教育学校【※2】を卒業した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
  • 10年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの

【※1】大学、短期大学、高等専門学校には、専修学校・高等専門学校以外の各種専門学校・各種学校等は含まれません。
【※2】中等教育学校とは中高一貫教育の学校のことで、中学校ではありません。

上記を簡単に説明するならば、
学歴に応じて1~10年の実務経験が必要になります。
高等専門学校、短期大学、大学を卒業した人では1年以上の実務経験があれば受験が可能です。
高等学校を卒業した人では3年以上の実務経験があれば受験が可能です。
最終学歴が中学校以下の人では10年以上の実務経験があれば受験が可能です。

となっています。
学歴と実務経験の確認のため卒業証書や事業者証明書の提出が必要なので忘れず用意しておきましょう。

それ以外にも受験資格を満たす場合がありますので自分が該当しているか否かは労働衛生技術協会の受験資格をご覧ください。

 

衛生管理者の試験日程

衛生管理者の試験は定期的に行われているわけではなく、月1回以上主に平日に不定期で開催されています。

開催される回数は受験する地域によっても違うので自分の受験する地域の情報については必ず確認しておくようにしましょう。
試験日は労働衛生技術協会の試験の日程から見ることができます。

また、衛生管理者の受験申し込みは試験日の2か月前から受付が開始されます。
すぐに満員になってしまう会場もあるので早めの申し込みを心がけましょう。

受験するための申し込み方法について

願書申込方法

受験願書の取り寄せ方法には「配布場所から直接受け取り」と、「郵送で取り寄せ」の2種類の方法があります。
なお、郵送での取り寄せ先は、協会本部または希望する各センターのいずれかとなります。

安全衛生技術センターで受験を希望する場合は受験を希望する地区の安全衛生技術センターに受験申請書を提出します。

  • 郵送で受験申請をする場合

第1受験希望日の2か月前から14日前(消印有効)までが受付期間となります。

  • 各センター窓口へ持参する場合

直接、提出先に第1受験日の2か月前からセンターの休業日を除く2日前までに持参します。
(例:試験日が月曜日の場合、2日前は前週の木曜日となるのでご注意ください。)

※いずれの場合も、第1受験希望日が定員に達したときは、受験日は第2希望日となります。

衛生管理者の試験内容

衛生管理者試験は、第一種・第二種・特例第一種衛生管理者ともに全問5肢択一式のマークシートによる試験で、例年、次のように出題されています。

第一種衛生管理者

  • 労働衛生

┗有害業務に係るもの
┗有害業務に係るもの以外のもの

  • 関係法令

┗有害業務に係るもの
┗有害業務に係るもの以外のもの

  • 労働生理

特例第一種衛生管理者

  • 労働衛生(有害業務に係るものに限る。)
  • 関係法令(有害業務に係るものに限る。)

第二種衛生管理者

  • 労働衛生(有害業務に係るものを除く。)
  • 関係法令(有害業務に係るものを除く。)
  • 労働生理

衛生管理者の勉強方法

出題傾向

衛生管理者試験は似通った問題が繰り返し出題されているため、過去の問題演習は必須となってくるでしょう。しかし、年に何度も行われているすべての過去問題が公表されているわけではありません。
そのため、過去問題の演習には多めに取り組み、想定される出題パターンを掴んでおく必要があるでしょう。

勉強時間の目安

衛生管理者の勉強時間は、「最短1日2~3時間、7日ほどで合格することも可能」とも言われていますが出題範囲が人体・医療分野から環境工学関連分野、労働関係法令分野等多岐にわたるため、苦手分野が生じやすく予想以上に時間を要することを覚悟した方がよいでしょう。

衛生管理者を取得するメリット

現在、有資格者の絶対数が不足し設置義務を果たせない企業様が多いという現状があります。労働安全衛生法により、常時50人以上が働く事業場では、衛生管理者を1人以上置くことが義務づけられているので有資格者が足りない今こそ資格取得のチャンスです。

また、職場経験が豊かな中高年の方が数多く活躍されている中、衛生管理者の資格を持てば定年後の再就職も有利になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今後はAIなどによって様々な業務が自動化になっていきますが、そのAIをオペレーションしていくのは人であり、その人の健康状態、職場管理するのは人(衛生管理者)になると思います。今後は更に資格の重要性は高まることと思います。

受験資格を満たしている方はチャレンジして損がない資格といっても過言ではないでしょう。

CICならば短期集中型の学習で効率よく学習ができます。

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