施工管理技士の資格取得情報サイト「セコカンマガジン」

電気工事施工管理技士の技術検定について。試験内容や合格率は?

電気工事施工管理技士とは

“電気工事施工管理技士”とは、国土交通省の指定機関により実施される技術検定(国家試験)の合格者に与えられる国家資格です。1級・2級の区分があり、実務経験年数で受けられる級等が制限されています。1級を受験できる実務経験年数を満たしていれば、必ず2級から受ける必要はありません。

電気工事施工管理技士は、“施工管理技士”の中で分類される種目の一つです。施工管理技士は、取り扱う工事種別によって【電気工事】【建築】【土木】【管工事】【造園】【建設機械(建設機械のみ“施工技士”の名称)】そして令和元年に新設された【電気通信工事】の7種目が存在しています(令和元年11月現在)。

この頁では、電気工事施工管理技士を取得することにより得られるメリットや受験方法を記述していきます。

CIC日本建設情報センターでは、施工管理技士の受験準備講習会を毎年開催しています。

電気工事施工管理技士を受験するための申し込み方法について

電気工事施工管理技士は、1級の場合は“学科試験”と呼ばれるマークシート型の択一式試験と、学科試験合格後に受験する“実地試験”と呼ばれる記述・論文形式の試験が年に1回ずつ、2級は学科試験が年に2回、実地試験は年に1回行われます。
1級・2級共に実地試験に合格して初めて“施工管理技士”の称号が与えられるため、1年間に1回と非常にチャンスの少ない試験だと理解しておいたほうがいいでしょう。
特に1級を初受験される場合ほとんどの方は学科から受験することになりますが、学科試験の受験願書は早い段階で発売されるため気付いたら受付期間が終わっているというケースも考えられます。
国家試験のため、提出期間に間に合わなかった場合の受験は如何なる場合でも認められません。
うっかり提出期間を逃してしまい1年待つということにならないよう、試験期間をしっかりとチェックしておきましょう。

令和2年度1級電気工事施工管理技士の試験日程

学科試験

願書発売 令和2年 1月17日(金)
願書受付期間 令和2年 1月31日(金)~2月14日(金)
試験日 令和2年 6月14日(日)
合格発表 令和2年 7月17日(金)

実地試験

願書発売
願書受付期間 学科免除者:
令和2年 1月31日(金)~2月14日(金)

当年度合格者:
令和2年 7月17日(金)~7月31日(金)

試験日 令和2年 10月18日(日)
合格発表 令和3年 1月29日(金)

令和2度2級電気工事施工管理技士の試験日程

学科試験(前期)

願書発売 令和2年 1月17日(金)
願書受付期間 令和2年 1月31日(金)~2月14日(金)
試験日 令和2年 6月14日(日)
合格発表 令和2年 7月7日(火)

学科試験(後期)・実地試験

願書発売 令和2年 6月23日(火)
願書受付期間 令和2年 7月7日(火)~7月21日(火)
試験日 令和2年 11月8日(日)
合格発表 〔学科のみ〕令和3年 1月22日(金)
〔学科・実地 / 実地のみ〕令和3年 1月29日(金)

電気工事施工管理技士の願書入手から提出の流れ

電気工事施工管理技士を初受験される場合、必ず書面で受験願書を提出する必要があります。

1級及び2級(学科・実地同日試験)を初受験する場合の手続き

1級を初受験する場合、必ず書面で願書を提出する必要があります。入手方法は下記3点の入手方法があります。

インターネットから請求する

インターネットの請求フォームに必要事項を入力し、願書代と送料をクレジットカードまたはコンビニ決済で支払うことで試験本部より願書が送られてくる方法です。

郵送での請求

現金書留で願書代と送料を現金にて試験本部に送り、現金書留が到着すると発送される方法です。

窓口での直接購入

試験本部である建設業振興基金もしくはお近くの地域づくり協会で購入する方法です。インターネット、コールセンターと違い締め切り直前まで購入できる利点があります。

講習会の無料願書取り寄せサービスを利用する

CIC日本建設情報センターの受験準備講習会にお申込みいただいた方には受験願書を無料で取り寄せするサービスを行っておりますので、合わせてご検討ください。

2級の学科のみ試験を受験される場合

2級の学科のみ試験を受験される場合は、郵送販売はありません。「インターネット請求」「FAXでの請求」「窓口購入」のいずれかをご利用ください。尚、学科のみ願書は建設業振興基金のみの販売となり、各地方の地域づくり協会での購入はできませんのでご注意ください。

再受験の場合

「前年度学科合格者専用申込書」または 「インターネット申込」の2種類から申し込みができます。初受験用の願書は利用できませんのでご注意下さい。

願書提出に必要な書類

電気工事施工管理技士の願書を提出する際、下記の書類が必ず必要となります。ギリギリで用意できず受験を見送ることがないよう、余裕を持って準備しておきましょう。

  • 卒業証明書(1級で15年以上、2級で8年以上の実務経験がある場合は不要/2級学科のみ受験者は不要)
  • 住民票(取得が3ヶ月以内のもの)
  • パスポートサイズの証明写真

その他、実務経験証明書を記入後、勤め先の代表から承認印及び会社印の押印が必要となります。

尚、上記の書類につきまして2級の《学科のみ》受験者は満17歳以上であれば実務経験が不要のため実務経験証明が必要ありません。そのため、卒業証明書など学歴を証明する書類を準備する必要はございません。

上記の書類を用意し、受験願書に記入した上で指定された封筒に封入し必ず簡易書留で送付します。当日消印有効ですが、余裕を持って提出するよう心がけましょう。

電気工事施工管理技士の受験資格

電気工事施工管理技士を受験するためには、最終学歴ごとに定められた実務経験年数が必要となります。詳しくは下記の表を御覧ください。

1級電気工事施工管理技士の受験資格

1級学科試験〔学歴又は資格により下記イ~ニのいずれかに該当する方が受験可能〕

  • 注1:実務経験年数は学科試験前日までで計算すること
  • 注2:表中の実務経験年数には、指導監督的実務経験(現場代理人、主任技術者、施工監督、工事主任、設計監理者等の立場で、部下・下請けに対して工事技術面を総合的に指導・監督した経験)年数を1年以上含むことが必要
区分 学歴又は資格 実務経験年数
指定学科 指定学科以外
大学
専門学校「高度専門士」
卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
短期大学
5年制高等専門学校
専門学校「専門士」
卒業後5年以上 卒業後7年6ヶ月以上
高等学校
専門学校「専門課程」
卒業後10年以上 ※1 ※2 卒業後11年6ヶ月以上 ※2
その他(最終学歴問わず) 15年以上 ※2
2級電気工事施工管理技士合格者 合格後5年以上 ※1 ※2
2級電気工事施工管理技士
合格後5年未満で右の学歴の者
短期大学
5年制高等専門学校
専門学校「専門士」
「イ」の区分で見て下さい 卒業後9年以上 ※2
高等学校
専門学校「専門課程」
卒業後9年以上 ※2 卒業後10年6ヶ月以上 ※2
その他 14年以上 ※2
電気事業法による第一種、第二種又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けたもの 6年以上(交付後ではなく通算)
電気工事士法による第一種電気工事士の免状の交付を受けたもの 実務経験年数問わず
  • 「高度専門士」及び「専門士」とは:専門学校専門課程で所定の要件を満たし、文部科学大臣が認めるものを終了した者は高度専門士又は専門士と称することができる
  • 専門学校卒業者のうち、「高度専門士」又は「専門士」の称号を持たない者
  • ※1:3年以上の実務経験のうち、1年以上の指導監督的実務経験年数を含み、かつ、専任の監理技術者による指導を受けた実務経験年数2年以上を含む
  • ※2:8年以上の実務経験のうち、1年以上の指導監督的実務経験年数を含み、かつ、5年以上の実務経験の後、専任の監理技術者による指導を受けた実務経験年数2年以上を含む
「電気工事施工管理に関する実務経験年数」とは 電気工事の施工に直接的に関わる技術上の全ての職務経験をいい、具体的には、下記(1)~(3)に関するものをいいます。

(1)受注者(請負人)として施工を管理(工程管理 / 品質管理 / 安全管理などを含む)した経験(施工図の作成や補助者としての経験も含む)
(2)設計者等による工事監理の経験(補助者としての経験も含む)
(3)発注者側における現場監督技術者等としての経験(補助者も含む)

なお研究所・学校・訓練所等における研究・教育および指導業務、設計業務、保守・点検業務等は認められません。

「指定学科」とは 国土交通省令で定めている学科等(建築学科 / 土木工学科 / 森林土木学科 / 鉱山土木学科 / 砂防学科 / 治山学科 / 農業土木学科 / 縁地学科 / 造園学科 / 都市工学科 / 衛生工学科 / 電気工学科 / 機械工学科)を指します。

1級実地試験(下記(1)(2)のいずれかに該当する方)

(1) 当年度学科試験の合格者
(2)
  • A.前年度学科試験のみの合格者
  • B.技術士法による技術士の第二次試験のうちで技術部門を電気電子部門、建設部門又は総合技術監理部門(選択科目が電気電子部門又は建設部門)に合格した者で、なおかつ1級電気工事施工管理技術検定学科試験の受検資格を有する者

2級電気工事施工管理技士の受験資格

2級学科試験

1. 学科試験のみ受験

試験実施年度において満17歳以上となる方

2. 学科試験および実地試験を同時に受験

※実務経験年数は、試験実施年度の試験日前日までで計算してください。

区分 学歴又は資格 実務経験年数
指定学科 指定学科以外
大学
専門学校「高度専門士」
卒業後1年以上 卒業後1年6ヶ月以上
短期大学
5年制専門学校
専門学校「専門士」
卒業後2年以上 卒業後3年以上
高等学校
専門学校「専門課程」
卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
その他(最終学歴問わず) 8年以上
電気事業法による第一種、第二種または第三種電気主任技術者免状の交付を受けた者 1年以上(交付後ではなく通算)
電気工事士法による第一種電気工事士免状の交付を受けた者 実務経験年数問わず
電気工事士法による第二種電気工事士免状の交付を受けた者
(旧・電気工事士を含む)
1年以上(交付後ではなく通算)

受験資格の内容について

「電気工事施工管理に関する実務経験年数」とは 電気工事の施工に直接的に関わる技術上の全ての職務経験をいい、具体的には、(1)~(3)に関するものをいいます。

(1)受注者(請負人)として施工を管理(工程管理、品質管理、安全管理等を含む)した経験(施工図の作成や補助者としての経験も含む)
(2)設計者等による工事監理の経験(補助者としての経験も含む)
(3)発注者側における現場監督技術者等としての経験(補助者も含む)。

なお、研究所・学校・訓練所等における研究・教育および指導業務、設計業務、保守・点検業務等は認められません。

〔指定学科〕とは 国土交通省令で定めている学科等(建築学科 / 土木工学科 / 森林土木学科 / 鉱山土木学科 / 砂防学科 / 治山学科 / 農業土木学科 / 縁地学科 / 造園学科 / 都市工学科 / 衛生工学科 / 電気工学科 / 機械工学科)をいいます。

電気工事施工管理技士の試験範囲

電気工事施工管理技士はそれぞれどういった問題が出題されるのでしょうか。
1級・2級それぞれ確認してみましょう。

1級電気工事施工管理技士(令和元年度の例)

学科試験

出題形式:四肢択一(マークシート方式)

分野 出題数 必要解答数
午前の部 電気工学 15問 10問
電気設備 33問 15問
関連分野 8問 5問
設計・契約関係 2問 2問
午後の部 工事施工 9問 6問
施工管理 12問 12問
法規 13問 10問

実地試験

出題形式:記述式

分野 出題区分
必須問題 施工経験記述 工程管理
施工管理 語句の説明(安全管理)
施工管理 ネットワーク工程表
電気設備全般 用語の説明
法規 建設業法・電気事業法

2級電気工事施工管理技士

学科試験(令和元年度の例)

出題形式:四肢択一(マークシート方式)

出題区分 出題数 必要解答数
午前(学科) 電気工学 12問 8問
電気設備 20問 11問
関連分野 6問 3問
関連分野 1問 1問
施工管理法 13問 9問
法規 12問 8問

実地試験

出題形式:記述式

出題区分 備考
午後(実地) 施工経験記述 安全管理 必須問題
施工全般 語句の説明、機器の名称・機能
施工全般 ネットワーク工程表
施工全般 用語の説明
法規 建設業法・労働安全衛生法、電気工事士法

電気工事施工管理技士の合格率

電気工事施工管理技士は年間でどれくらいの人が受験している試験なのでしょうか。詳しい数字を見てみましょう。

電気工事施工管理技士の受験者/合格者数・合格率一覧

1級電気工事施工管理技士(学科試験)受験者/合格者数・合格率

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年
受験者数 16,188 15,663 18,122 17,774 17,922 16,989 15,048
合格者数 7,422 5,576 8,168 8,178 8,595 9,532 6,128
合格率(%) 45.8 35.6 45.1 46.0 48.0 56.1 40.7

1級電気工事施工管理技士(実地試験)受験者/合格者数・合格率

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年
受験者数 9,679 8,104 9,613 10,619 10,493 12,034
合格者数 5,655 5,110 6,099 7,336 6,556 8,875
合格率(%) 58.4 63.1 63.4 69.1 62.5 73.7

2級電気工事施工管理技士(前期:学科試験)受験者/合格者数・合格率

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年
受験者数 1,453 1,813
合格者数 949 1,021
合格率(%) 65.3 56.3

2級電気工事施工管理技士(後期:学科・実地試験)受験者/合格者数・合格率

区分 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年
学科 受験者数 7,391 7,629 8,366 9,097 9,548 8,222
合格者数 4,961 4,153 4,618 5,339 5,995 5,164
合格率(%) 67.1 54.4 55.2 58.7 62.8 62.8
実地 受験者数 7,192 7,509 7,901 8,504 8,557 7,961
合格者数 3,229 2,928 3,195 3,541 3,423 3,436
合格率(%) 44.9 39.0 40.4 41.6 40.0 43.2

この数字から、電気工事施工管理技士は1級で1万人以上、2級でも1万人近くの受験者がいる非常に人気の資格であることがわかります。

CIC日本建設情報センターでは、施工管理技士の受験準備講習会を毎年開催しています。

電気工事施工管理技士を取得するメリット

現場に必要な「監理技術者」または「主任技術者」として認められる

電気工事は指定建設業に指定された特定建設業7業種の内の一つです。
建設業を営む者は現場に「監理技術者」または「主任技術者」の配置が義務付けられています(工事規模によって異なる)。
「監理技術者」及び「主任技術者」は原則として施工管理技士などの国家資格保持者に限られ、1級電気工事施工管理技士は電気工事の「監理技術者」そして2級電気工事施工管理技士は電気工事の「主任技術者」として認められます。

営業所に置く「専任の技術者」として認められる

1級電気工事施工管理技士及び2級電気工事施工管理技士は、電気工事業における、営業所の「専任の技術者」として認められます。

経営事項審査制度において企業の得点として数えられる

経営事項審査制度により、資格者1人あたり5点が企業の得点として加えられ、地方公共団体等が発注する公共工事を受注する際の技術力として評価されます。(監理技術者資格者証を保有し、かつ監理技術者講習を受講した場合はさらに1点加点)

まとめ

電気工事施工管理技士の需要は確実に高まっている

2020年の東京オリンピックに引き続き、2025年には大阪府で万博の開催が決定致しました。
これにより、建設工事は益々需要が高まっていくことが予測されます。
中でも電気工事に関しては、大規模建築物の増加や外国人観光客の増加を見越した宿泊施設の増加に伴い、エネルギーの供給が急務となってきます。
この機会に、是非電気工事施工管理技士の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

CIC日本建設情報センターでは、施工管理技士の受験準備講習会を毎年開催しています。