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施工管理技士の難易度は?受験人数を知ろう

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施工管理技士の合格率は?

上述の表に記入しましたように、施工管理技士の合格率は1級の建築で学科が50%前後と受験者全体の約半分が不合格となり、実地で35%前後と学科合格者から更に3分の2が不合格となります。

初受験の方が1年で施工管理技士に合格するためには、学科試験合格後、その年の実地試験に合格する必要があります。

ストレート合格された方の数字は試験実施団体及び国土交通省から正確な数字は公表されておりませんが、近似値を出すと以下の数字になります。

1級建築施工管理技士(平成30年度)の場合

学科合格者36.6%×実地合格者37.1%≒13.6%(小数点第二位四捨五入)

計算すると、平成30年度学科及び実地試験に合格された方の合格率は13.6%という数字になります。

つまり、ストレート合格できるのは単純に考えると1級建築施工管理技士の場合、全体の13%前後とおよそ7~8人に1人しか合格できない計算となります。
上記の数字は近似値であり必ずしも正確な数字ではありませんが、大体の数がイメージできるかと思います。

そして、注目していただきたいのは学科試験の合格者数と実地試験の受験者数です。
例えば平成30年度の1級建築施工管理技士は、学科試験の合格者が9,229人でした。
通常、実地試験は学科試験の合格者が受験する試験となりますが、
実際に平成29年度の実地試験を受験した方の数は15,145人と5,916人もの差があります。

この数は、「建築士保持者」や「前年度学科合格者(実地不合格)」などその年の学科試験を受験していない人たちの人数です。
学科試験を通過してきた受験生よりも実地に集中して学習する時間をより多く確保してきた人たちも、合格を目指すライバルとして受験をしています。

この数を考慮した場合、仮定の話ではありますが実際のストレート合格率は更に低い可能性もあります。

どのくらい難しい試験なの?

学科試験と実地試験の2つに合格する必要がある

施工管理技士が他の資格試験に比べて特殊な点として「1次試験」と「2次試験」の2つに合格しなければならないことが挙げられます。(技術士取得による一部試験免除等の例外は除く)

筆記試験と実技試験がある資格は多くありますが、施工管理技士は試験上「学科試験」及び「実地試験」と呼ばれながら、どちらも知識を問われ用紙に記入するペーパーテストの形式で行われます。

幅広い知識を正確に把握しているかを問われる学科試験と、受験資格を得るまでに経た実務経験年数の中でどれだけ正しく「現場の判断」を行ってきたか問われる実地試験では試験の性質が全く異なります。

学科試験の合格発表から実地試験の試験日まで、ほとんどの種目が3ヶ月も期間がありません。
例えば平成30年度の1級建築施工管理技士試験ですと、学科の合格発表が7月20日(金)、実地の試験日が10月14日(日)とやはり3ヶ月未満の短い期間となっています。

学科試験を受験する時点では学科試験に集中するのが鉄則ですが、この短い期間で性質の異なる受験対策をする必要があるため、実地試験は学科試験より更に突破が難しい試験と言えるでしょう。

試験範囲が幅広い

上述しましたが、施工管理技士試験は非常に幅広い分野から出題がなされます。
これは一例ですが、1級建築施工管理技士の学科試験ですと出題分野は以下のとおりです。

1級建築施工管理技士 学科試験(令和元年度の例)

出題形式:四肢択一(マークシート方式)

午前の部

  • 建築学(15問中12問解答)
  • 共通(5問必須解答)
  • 躯体施工(13問中5問解答)
  • 仕上施工(13問中5問解答)
  • 施工管理法(5問中5問解答)

午後の部

  • 施工管理法(20問中20問解答)
  • 法規(12問中8問解答)

合計すると、学科試験は83問中60問の解答が必要となります。
この数字を多いと見るか少ないと見るかは人それぞれですが、躯体の分野も仕上げの分野も学習した上でマネジメントや建設業全体の知識も求められるということで幅広い知識が必要となることをご理解いただけるでしょうか。

次に、実地試験の出題分野も見てみましょう。

1級建築施工管理技士 実地試験(令和元年度の例)

出題形式:記述式(全問必須)
  • 施工経験記述
  • 仮設計画
  • 躯体施工
  • 仕上施工
  • 施工管理
  • 法規

実地試験は、学科試験と打って変わって合計6問と出題数だけ見るとかなり少ないシンプルな設問となっています。
分野も、共通や建築学と言った広い知識が求められるものではなく、実践的な部分が多くを占めています。

この比較だけでも、学科試験と実地試験がどれほど異なる性質の試験かおわかりいただけたかと思います。

学習していく上で、それぞれ「得意分野」が見つかっていくと思いますが、得意分野があるということはもちろん「苦手分野」も当然存在しています。マネジメントは得意だけど技術的な記憶は少しあやふやだとか、法律についてはばっちり覚えているがコンクリートの強度や材料については不安だとか、様々な形で壁が立ちはだかってきます。

「幅広い試験範囲」「2種類の出題形式」この2つが避けては通れない道として伸びている施工管理技士という試験は、決して容易に取得できる試験ではないことをしっかりと心に留めておきましょう。

必ず覚えておいてほしいのは、学習していく上で発生してくる数多くの「知らなかったこと」や「曖昧なこと」はこれから先、施工管理技士として活躍していく受験生にとって「克服するべき課題」です。

今は試験だけに集中し、合格するため・点数を獲得できるようになるための学習に時間や力を注ぐべきですが、ステップアップした先にある世界で活躍するために、足りないものもきちんと把握しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

施工管理技士という資格に関して、日々の忙しい中で学習を進めていくことは決して容易ではないことがイメージできたのではないかと思います。

簡単な資格ではないからこそ、年間何十万人という受験者が合格を目指しているのだと認識し、気を引き締めて学習を行っていきましょう。

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