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運行管理者とは?難易度や試験概要、申し込み方法など

『運行管理者』とは?

自動車運送業者は、利用者や社会の信頼にこたえるため、安全で確実な輸送を行う義務があります。
そのため、自動車運送業者は、法律に基づき、安全運行に必要なドライバーの勤務時間を設定し、運行管理のための指揮命令系統を明確にしなければなりません。この安全体制の確立に中心的役割を果たすのが運行管理者です。

運行管理者の難易度や受験資格について、解説していきます。

合格率と受験者数

運行管理者試験 貨物

年度受験者数合格者数合格率
2020(令和2年度)第1回39,630名12,166名30.7%
2019(令和元年度)第2回中止中止中止
2019(令和元年度)第1回36,530名11,584名31.7%
2018(平成30年度)第2回29,709名9,743名32.8%
2018(平成30年度)第1回35,619名10,220名28.7%
2017(平成29年度)第2回29,063名9,605名33.0%
2017(平成29年度)第1回37,774名37,774名35.0%
2016(平成28年度)第2回29,621名6,096名20.5%
2016(平成28年度)第1回36,058名10,868名30.2%

平均30.3%(四捨五入)

運行管理者試験 旅客

年度受験者数合格者数合格率
2020(令和2年度)第1回9,714名3,026名31.2%
2019(令和元年度)第2回中止中止中止
2019(令和元年度)第1回8,263名2,624名31.8%
2018(平成30年度)第2回7,605名2,868名37.7%
2018(平成30年度)第1回8,998名2,856名31.7%
2017(平成29年度)第2回8,588名2,928名34.1%
2017(平成29年度)第1回10,462名3,694名35.3%
2016(平成28年度)第2回8,028名2,085名36.0%
2016(平成28年度)第1回8,169名2,876名34.1%

平均34.1%(四捨五入)

運行管理者の難易度

令和2年度第1回の運行管理者の合格率についてですが、「貨物」が39,630名の受験者に対し、合格者は12,166名となっており30.7%になっています。
また、「旅客」は9,714名の受験者に対し、合格者は3,026名となっており、32.1%になっています。
平成28年度~令和2年度までの合格率の平均は「貨物」30.3%、「旅客」34.1%になっています。

当初の試験では合格率が50%前後の比較的合格がしやすいものでしたが、近年の合格率はおおむね30%台で推移しており、年々難しくなっている傾向があります。

理由としては自走者運転上の重大事故が多発していたり、コンプライアンスを遵守する傾向になってきていたりするため、運行管理者の責任が重くなっており、資格の重要性が高まっているからと推測されます。

運行管理者の受験資格

運行管理者の試験を受けるには受験資格を満たしていることが必要

運行管理者の試験を受けるには次のいずれかの要件を満たしていることが必要になります。

  • 運行管理に関して1年以上の実務経験を有する方
  • 国土交通大臣が認定する「基礎講習」を修了している、もしくは終了見込みの方。
また、受験資格によって必要書類・情報が異なってきます。
『受験資格に関係なく共通で必要な書類・情報』

・申請に利用するメールアドレス
・本人確認書類(以下のいずれか1つ)
┗運転免許証
┗住民票
┗マイナンバーカード
・顔写真

『受験資格が「実務経験1年以上」の方だけが必要な情報』

・実務経験承認者に関する以下の情報
┗氏名
┗勤務先名
┗役職名
┗電話番号
┗メールアドレス

『受験資格が「基礎講習修了」または「終了予定」の方だけが必要な書類』

・「基礎講習修了証」または「運行管理者講習手帳」
試験の種類に応じた、上記どちらかが必要です。

詳しくは運行管理者の受験概要からご覧いただけます。

運行管理者の試験日程

運行管理者の試験は毎年、3月第1日曜日8月第4日曜日の2回開催されています。

受験申請は運行管理者試験センターにて行えます。

受験するための申し込み方法について

願書申込方法

受験願書の取り寄せ方法には「インターネット申請」と、「書面申請」「おまかせ申請」の3種類の方法があります。

受験料は6000円(非課税)です。
また、受験料とは別に申請方法によって料金が発生します。
書面申請の場合は1050円、インターネット申請の場合は660円、おまかせ申請の場合は2660円かかりますので留意しておきましょう。

運行管理者の試験内容

運行管理者試験は、貨物・旅客ともに全問4肢択一式のマークシートによる試験で、原則として「総得点が60%以上(30問中18問)であること、かつ、1~4の出題分野ごとに正解が1問以上あり、5については正解が2問以上であること。」とされています。
出題範囲は貨物、旅客で以下の通りになっています。

貨物

(1)貨物自動車運送事業法:8題
(2)道路運送車両法:4題
(3)道路交通法:5題
(4)労働基準法:6題
(5)その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力:7題

旅客

(1)道路運送法:8題
(2)道路運送車両法:4題
(3)道路交通法:5題
(4)労働基準法:6題
(5)その他運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力:7題

運行管理者の勉強方法

出題傾向

運行管理者の試験では数字の暗記を求める出題が例年多いようです。このような出題ですと文脈を読むだけでは対応できないので数字をしっかりと覚えておくことが大事になってくるでしょう。
また、出題範囲が広く、合格の基準が「出題分野によって1問以上の正解が必要」ともありますので偏った勉強ではなくバランスの良い勉強が必要になってくるでしょう。

勉強時間の目安

運行管理者の勉強時間は、平均50~100時間と言われていますが運行管理者の試験を受験する方は普段何らかの勤務をしている方が多いので勉強する時間を長く取れないこともあり、予想以上に期間がかかってしまうこともあるようです。
なので、限られた時間を使って効率よく勉強することが大事になってくるでしょう。

運行管理者を取得するメリット

自動車運送を行う事業者は、事業用自家用車の保有台数に応じて運送管理者を設置する義務があります。さらに2013年以降は事業用自動車の保有台数が5両未満でも運行管理者を1名選任する必要がある、と決定しましたので運行管理者の需要は減らないと見られています。

運行管理者は運搬業務よりも管理業務に携わることが多いので内勤の仕事が多くなる場合もあり、ドライバーから転身して内勤として長く働けるといった点でも利点になることでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今後ITが発展していく中でも物流がなくなっていくことはなく、ECサイトや通販などの訴求が高まり、物流業界が発展していっている現状では運行管理者の需要はさらに高まってきています。特に「貨物」の需要が高まってきているようです。物流の世界で必ずいなければならない存在である運行管理者は持っていれば必ず役に立つ資格であることは間違いないでしょう。

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