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施工管理技士の難易度は?受験人数を知ろう

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「施工管理技士」は難しい試験?

施工管理技士を取得するために必要な経験を満たし、さあ受験だ!という段階になって、多くの方が気になるのは「どれほど難しい試験なのか?」という部分ではないでしょうか。

どの種目においても施工管理技士試験が取り扱う範囲は大変幅広く、大まかに数えても下記に挙げているように多方面からの知識が試されます。

  • 機器や材料に関する一般知識
  • 専門的な工事における技術的知識
  • 遵守するべき法律の知識
  • 工程管理、安全管理といったマネジメントの知識

上記のように、現場施工の知識のみではなく現場を監督する人物として必要な知識が広く出題されます。そして、これまで経験してきた工事の中でも、自分が詳しくない分野やあまり経験していない工事の内容もくまなく学習する必要があります。こうして考えてみると、決して簡単ではない試験だということは想像に難くないでしょう。

それでも、難しいと感じるか簡単だと感じるかはそれぞれ。
まずは、施工管理技士試験の合格率や受験者数の数字を見て具体的なイメージを掴みましょう。

施工管理技士は年間どのくらいの人が受験する?

まずは、下記に施工管理技士6種目の中でも受験者数が多い1・2級の建築、土木、電気工事、管工事施工管理技士について詳しい表を掲載いたしますのでご覧ください。

建築施工管理技士

1級建築施工管理技士(一次試験)受験者数と合格率

※令和2年度まで一次試験は学科試験、二次試験は実地試験という名称でした。

1級建築施工管理技士(一次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 25,198 25,392 22,792 22,277 27,253 24,078
合格者数  9,229 10,837 11,619 8,025 12,755 10,017
合格率 36.6 42.7 51.1 36.0 46.8 41.6

1級建築施工管理技士(二次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 15,145 15,876 16,946 12,813 13,010
合格者数  5,619 7,378 6,898 6,708 5,878
合格率 37.1 46.5 40.7 52.4 45.2

2級建築施工管理技士(前期:一次試験)受験者数と合格率

平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 2,935 5,993 8,341 13,074 13,474 13,647
合格者数 1,241 2,377 2,781 4,952 6,834 5,150
合格率 42.5 39.7 33.3 37.9 50.7 37.7

2級建築施工管理技士(後期:一次・二次試験)受験者数と合格率

※平成30年度以降の学科試験受験者は試験実施団体公表の「学科試験のみ申込者」と「学科実地申込者の内学科のみ受験者」を合算して算出しています。

区分 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
一次 受験者数 28,888 28,718 12,159 13,391 39,875 準備中
合格者数 7,495 9,083 4,363 6,533 16,891 準備中
合格率 25.9 31.6 35.9 48.8 42.3 準備中
二次 受験者数 24,131 22,613 23,116 23,380 14,909 準備中
合格者数 6,084 6,134 6,514 8,205 7,924 準備中
合格率 25.2 27.1 28.2 35.1 53.1 準備中

土木施工管理技士

1級土木施工管理技士(一次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 28,512 33,036 29,745 37,726 38,672 32,931
合格者数 16,117 18,076 17,885 22,851 21,097 16,311
合格率 56.5 54.7 60.1 60.6 54.6 49.5

1級土木施工管理技士(二次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 27,581 24,688 24,204 26,558 24,462 準備中
合格者数 9,521 11,190 7,499 9,732 7,032 準備中
合格率 34.5 45.3 31.0 36.6 28.7 準備中

2級土木施工管理技士(前期:一次試験)受験者数と合格率(種別:土木)

※平成29年度のみ後期日程の数字です

平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 4,770 7,747 12,156 14,557 16,041 15,526
合格者数 2,788 3,894 7,528 10,229 10,175 6,664
合格率 58.4 50.3 61.9 70.3 63.4 42.9

2級土木施工管理技士(後期:一次・二次試験)受験者数と合格率(種別:土木)

※平成30年度以降の学科試験受験者は試験実施団体公表の「学科試験のみ申込者」と「学科実地申込者の内学科のみ受験者」を合算して算出しています

区分 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
一次 受験者数 35,102 39,125 33,182 44,238 43,956 43,501
合格者数 20,863 24,759 23,346 31,770 27,989 21,339
合格率 59.4 63.2 70.3 71.8 63.6 49.0
二次 受験者数 33,399 31,729 30,437 32,847 32,916 準備中
合格者数 11,698 12,611 12,852 11,713 12,409 準備中
合格率 35.0 39.7 42.2 35.7 37.7 準備中

電気工事施工管理技士

1級電気工事施工管理技士(一次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 16,989 15,048 14,407 15,001 16,883 16,265
合格者数 9,532 6,128 5,493 7,993 6,458 6,606
合格率 56.1 40.7 38.1 53.3 38.3 40.6

1級電気工事施工管理技士(二次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 12,034 8,114 6,723 7,922 7,685 準備中
合格者数 8,875 5,382 4,887 4,655 4,537 準備中
合格率 73.7 66.3 72.7 58.8 59.0 準備中

2級電気工事施工管理技士(前期:一次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 1,453 1,813 3,706 4,467 4,810
合格者数 949 1,021 2,235 2,651 2,561
合格率 65.3 56.3 60.3 59.3 53.2

2級電気工事施工管理技士(後期:一次・二次試験)受験者数と合格率

※平成30年度以降の学科試験受験者は試験実施団体公表の「学科試験のみ申込者」と「学科実地申込者の内学科のみ受験者」を合算して算出しています

区分 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
一次 受験者数 8,222 7,548 2,804 3,276 11,732 準備中
合格者数 5,164 4,237 1,641 1,841 6,455 準備中
合格率 62.8 56.1 58.5 56.2 55.0 準備中
二次 受験者数 7,961 7,151 6,588 6,932 4,768 準備中
合格者数 3,436 3,249 2,967 3,493 2,947 準備中
合格率 43.2 45.4 45.0 50.4 61.8 準備中

管工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士(一次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 16,473 16,838 13,531 15,827 16,839 14,990
合格者数 5,471 8,769 4,738 3,792 7,231 5,628
合格率 33.2 52.1 35.0 24.0 42.9 37.5

1級管工事施工管理技士(二次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 7,608 10,431 8,211 4,540 6,618 準備中
合格者数 4,011 5,492 5,018 3,330 3,769 準備中
合格率 52.7 52.7 61.0 73.3 57.0 準備中

2級管工事施工管理技士(前期:一次試験)受験者数と合格率

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
受験者数 2,559 3,703 4,518 5,759 5,706
合格者数 1,580 2,052 2,529 2,903 3,361
合格率 61.7 55.4 56.0 50.4 58.9

2級管工事施工管理技士(後期:一次・二次試験)受験者数と合格率

※平成30年度以降の学科試験受験者は試験実施団体公表の「学科試験のみ申込者」と「学科実地申込者の内学科のみ受験者」を合算して算出しています

区分 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
一次 受験者数 11,279 10,247 12,348 11,580 11,051 準備中
合格者数 6,431 7,039 7,683 5,766 6,274 準備中
合格率 57.0 68.6 62.2 49.7 56.7 準備中
二次 受験者数 13,694 13,064 12,678 13,099 8,316 準備中
合格者数 5,537 5,760 5,514 6,054 4,962 準備中
合格率 40.4 44.1 43.5 46.2 59.7 準備中

「施工管理技士」の受験者数まとめ

上表をご覧になって、施工管理技士は種目によってばらつきはあるものの、受験者数は1級一次で16,000人~38,000人、二次で9,500人~28,000人と非常に多くの受験者がいる資格であることがお分かりかと思います。

皆さんがご存知の「司法書士」や「管理栄養士」等の資格が毎年受験者数2万人前後と考えると、全種目を合わせると毎年およそ30万人を超える受験者が存在する施工管理技士はどれほど需要があり多くの企業や人が欲しがっている資格かイメージが掴めてきたのではないでしょうか。

多数の受験者がいる施工管理技士ですが、試験年度によっては合格率が30%を下回る場合もあり大変難しい資格です。
大勢のライバルがいる難しい資格だからこそ、社会的な立場の向上にもつながります。
ぜひ、この機会に施工管理技士取得を目指しましょう。

CIC日本建設情報センターでは、施工管理技士の受験準備講習会を毎年開催しています。

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施工管理技士の合格率は?

上述の表に記入しましたように、施工管理技士の合格率は1級の建築で一次が50%前後と受験者全体の約半分が不合格となり、二次で35%前後と一次合格者から更に3分の2が不合格となります。

初受験の方が1年で施工管理技士に合格するためには、一次試験合格後、その年の二次試験に合格する必要があります。

ストレート合格された方の数字は試験実施団体及び国土交通省から正確な数字は公表されておりませんが、近似値を出すと以下の数字になります。

1級建築施工管理技士(令和4年度)の場合

一次合格者46.8%×二次合格者37.1%≒17.4%(小数点第二位四捨五入)

計算すると、令和4年一次及び二次試験に合格された方の合格率は17.4%という数字になります。

つまり、ストレート合格できるのは単純に考えると1級建築施工管理技士の場合、全体の17%前後とおよそ7~8人に1人しか合格できない計算となります。
上記の数字は近似値であり必ずしも正確な数字ではありませんが、大体の数がイメージできるかと思います。

そして、注目していただきたいのは一次試験の合格者数と二次試験の受験者数です。
例えば令和4年度の1級建築施工管理技士は、一次試験の合格者が27,253人でした。
通常、二次試験は一次試験の合格者が受験する試験となりますが、
実際に令和4年度の二次試験を受験した方の数は13,010人と14,243人もの差があります。

この数は、「建築士保持者」や「前年度一次合格者(二次不合格)」などその年の一次試験を受験していない人たちの人数です。
一次試験を通過してきた受験生よりも二次に集中して学習する時間をより多く確保してきた人たちも、合格を目指すライバルとして受験をしています。

この数を考慮した場合、仮定の話ではありますが実際のストレート合格率は更に低い可能性もあります。

どのくらい難しい試験なの?

一次試験と二次試験の2つに合格する必要がある

施工管理技士が他の資格試験に比べて特殊な点として「1次試験」と「2次試験」の2つに合格しなければならないことが挙げられます。(技術士取得による一部試験免除等の例外は除く)

筆記試験と実技試験がある資格は多くありますが、施工管理技士は試験上「一次試験」及び「二次試験」と呼ばれながら、どちらも知識を問われ用紙に記入するペーパーテストの形式で行われます。

幅広い知識を正確に把握しているかを問われる一次試験と、受験資格を得るまでに経た実務経験年数の中でどれだけ正しく「現場の判断」を行ってきたか問われる二次試験では試験の性質が全く異なります。

一次試験の合格発表から二次試験の試験日まで、ほとんどの種目が3ヶ月も期間がありません。
例えば令和5年度の1級建築施工管理技士試験ですと、一次の合格発表が7月14日(金)、二次の試験日が10月15日(日)とやはり3ヶ月未満の短い期間となっています。

一次試験を受験する時点では一次試験に集中するのが鉄則ですが、この短い期間で性質の異なる受験対策をする必要があるため、二次試験は一次試験より更に突破が難しい試験と言えるでしょう。

試験範囲が幅広い

上述しましたが、施工管理技士試験は非常に幅広い分野から出題がなされます。
これは一例ですが、1級建築施工管理技士の一次試験ですと出題分野は以下のとおりです。

1級建築施工管理技士 一次試験(令和元年度の例)

出題形式:四肢択一(マークシート方式)

午前の部

  • 建築学(15問中12問解答)
  • 共通(5問必須解答)
  • 躯体施工(13問中5問解答)
  • 仕上施工(13問中5問解答)
  • 施工管理法(5問中5問解答)

午後の部

  • 施工管理法(20問中20問解答)
  • 法規(12問中8問解答)

合計すると、一次試験は83問中60問の解答が必要となります。
この数字を多いと見るか少ないと見るかは人それぞれですが、躯体の分野も仕上げの分野も学習した上でマネジメントや建設業全体の知識も求められるということで幅広い知識が必要となることをご理解いただけるでしょうか。

次に、二次試験の出題分野も見てみましょう。

1級建築施工管理技士 二次試験(令和元年度の例)

出題形式:記述式(全問必須)
  • 施工経験記述
  • 仮設計画
  • 躯体施工
  • 仕上施工
  • 施工管理
  • 法規

二次試験は、一次試験と打って変わって合計6問と出題数だけ見るとかなり少ないシンプルな設問となっています。
分野も、共通や建築学と言った広い知識が求められるものではなく、実践的な部分が多くを占めています。

この比較だけでも、一次試験と二次試験がどれほど異なる性質の試験かおわかりいただけたかと思います。

学習していく上で、それぞれ「得意分野」が見つかっていくと思いますが、得意分野があるということはもちろん「苦手分野」も当然存在しています。マネジメントは得意だけど技術的な記憶は少しあやふやだとか、法律についてはばっちり覚えているがコンクリートの強度や材料については不安だとか、様々な形で壁が立ちはだかってきます。

「幅広い試験範囲」「2種類の出題形式」この2つが避けては通れない道として伸びている施工管理技士という試験は、決して容易に取得できる試験ではないことをしっかりと心に留めておきましょう。

必ず覚えておいてほしいのは、学習していく上で発生してくる数多くの「知らなかったこと」や「曖昧なこと」はこれから先、施工管理技士として活躍していく受験生にとって「克服するべき課題」です。

今は試験だけに集中し、合格するため・点数を獲得できるようになるための学習に時間や力を注ぐべきですが、ステップアップした先にある世界で活躍するために、足りないものもきちんと把握しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

施工管理技士という資格に関して、日々の忙しい中で学習を進めていくことは決して容易ではないことがイメージできたのではないかと思います。

簡単な資格ではないからこそ、年間何十万人という受験者が合格を目指しているのだと認識し、気を引き締めて学習を行っていきましょう。

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